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2026年07月
2026.07.29
第27回【実例】試作から量産へ。「ちょっとした形状変更」で加工コストを半減させたVA提案
こんにちは、会津ゴムです。
「試作はうまくいったけれど、このままの図面で量産(数百〜数千個)に見積もりを出したら、単価が高すぎて予算オーバーになってしまった……」
開発の最終段階で、このような壁にぶつかる設計者様は少なくありません。
先日も、ある機構部品の量産化に向けたご相談をいただきました。図面を確認したところ、ほんの少しの形状の工夫(VA提案)を入れることで、機能を損なわずに加工時間を大幅に短縮できることが分かりました。その具体的な内容をご紹介します。
コストを引き上げていた「2つの要因」
初期の試作図面は「機能を満たすこと」が最優先で描かれるため、切削加工の効率までは配慮されていないことがよくあります。今回の図面で加工時間を引き延ばしていた要因は、主に以下の2点でした。
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内角の「ピン角(直角)」指定 ポケット加工(凹形状の削り落とし)の内側コーナーが完全な直角になっていました。回転する刃物(エンドミル)で削る以上、そのままでは角に必ず刃物の丸み(R)が残ります。ここをピン角にするには、極小径の刃物で何度も突くか、放電加工などの別工程を追加する必要があり、莫大な時間がかかっていました。
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工具の突出し長を必要とする「深いポケット形状」 必要以上に深い溝形状になっており、刃物を長く突き出して削らざるを得ない状態でした。工具が長くなると「ビビリ(振動)」が出やすくなるため、送り速度(削るスピード)を大幅に落とす必要がありました。
弊社の提案:機能を維持した「引き算」の設計変更
私たちは、お客様に「この形状では高くなります」と伝えるだけでなく、具体的な形状変更案(VA提案)をご提示しました。
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コーナー部に「R(丸み)」を持たせる 「組み立て相手の部品の角を少し面取りしていただくか、逃がし穴を設けることで、コーナー部にR2.0程度の丸みを許容できませんか?」と提案。これにより、標準的な太さの超硬エンドミルを高速で走らせることが可能になりました。
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底面深さの最適化 機能を阻害しない範囲でポケットの深さをコンマ数ミリ浅くし、刃物の突出し長を短縮。安定した高速切削を可能にしました。
結果:加工時間を50%短縮、大幅な単価ダウンを達成
この形状変更をご採用いただいた結果、1個あたりの加工時間が約半分に短縮されました。 追加の特殊工具や余計な工程も不要になり、お客様の目標コストをクリアして無事に量産へ移行することができました。
まとめ:「図面通り作る」だけが私たちの仕事ではありません
私たちは、いただいた図面をただ忠実に削るだけがプロの仕事だとは考えていません。
「このRをもう少し大きくできれば、加工費が安くなりますよ」 「この公差、ここだけ緩められれば歩留まりが上がりますよ」
加工現場の視点からこうした「量産を見据えたご提案」を行うことで、お客様の製品の市場競争力を高めるお手伝いをいたします。試作から量産へのコストでお悩みの際は、ぜひ一度弊社の「目利き」をご活用ください。
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